「東大読書」の読書感想

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1.はじめに

「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく東大読書を読んでの感想を書いたものである。
読むきっかっけは、NHKの「逆転人生」を観て著者の逆転合格メソッドに興味を持ったからである。

期待していた内容ではなかったが、
得られるものがあったので購入して読んだ甲斐はあった。
期待していた内容というのは、
帯にある「奇跡のインプット術」を習得でき、
読書の効果を劇的に高められる方法を得られるようになる内容だ。

キャッチコピーを付けるとしたら、
『考える力を養う!これが読んだつもりで終わらない正攻法』
だろうか。
この考える力のところを地頭力とするとスマートになるが、
地頭力が何なのかは難しいのでこの言葉は使いたくない。
いっきに身につくと本書のタイトルについているが、
「いっきに」という言葉と本書で紹介している方法がマッチしているとは思わない。
急がば回れで、正しい方法でやることが結局近道ということだろう。

以下で感想についてもう少し詳しく書いていく。

2.読書感想
良かった点

・丁寧に説明されている
実用書などでは、1から10のところを3ぐらいから説明している本が多い中、
本書は1から説明しているので読んでいて内容が頭に入ってきやすかった。

・実践的な方法が書かれている
読み始める前から読み終わったまで、
何をするべきか具体的なSTEPに分けて紹介している。
ボリューム的にも十分である。
ここが本書の肝なので詳細には書けないが
個人的に「パラレル読み」のところが参考になった。
時間の関係や一冊を完ぺきにするという方法に重きを置き過ぎていて、
「パラレル読み」をしなくなっていたので気づきを得た。

・視覚的に読み易いデザイン
緑を基調としたデザインや図解等の説明で読み易くなっている。
そのおかげもあって、一気に読み終えた(約3時間)。

・情報量が多い
ページの左下に著者のおすすめの本が簡単な理由とともに
多く紹介されていて、本を知るきっかけや実践する参考になった。

 

残念だった点

・中高校生向けの小論文対策のようだった
文章を読む基本から書いているので仕方ない部分はある。
読書と言っても人文・社会学などの本に範囲を限定した内容であった。
本書は記憶術の本とは違う。
本書は参考書を使った勉強方法について書いているわけではない。
小論文やレポートを書くのには役立つ内容ではあるが、
小説や書かれているものを覚える参考書を読むためのメソッドではない。
つまり、読む人にとっては期待していた内容と違う場合あるということだ。
Amazonのカテゴリーでは「高校現代文教科書・参考書」にも入っていて、
今日現在で5位に入っているので、
本書の大きな読書層はこの辺りにいるのは間違いないだろう。

・「偏差値35の落ちこぼれ」というのが釣りにしかなっていない
東大生たちには「当たり前」の読み方の紹介だけになっていて、
著者がどうやってここにたどり着いたかなどの独自性が欲しかった。
別に有名進学校から現役で東大に入った人が書いても困る内容はなかった。

3.おわりに

本書で紹介している付箋に書くなどの方法を実践すると、
通常の読書に比べ大分時間はかかるだろう。
考えながら読むので、
漠然と読むのと比べ
「読む力」と「地頭力」が身につくのは
そうだろうなと思う。
文章の構成解説などは現代文の参考書で読んだことがあるテクニックだった。
「奇跡のインプット術」というのは個人的には、
肯定しかねるキャッチコピーであった。

読書の手順が体系的に書かれているので、
一つの方法として読んで損はないと思う。

夏休みの弁論文の課題などのために、
嫌々(受動的に)本を読んでも、頭に入ってこない。
どうせ読むなら、本書の手順に従って読んでみよう。

マスター:クレア

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