【Start over!】HUNTER×HUNTERの読書感想【櫻坂】

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はじめに

0~37巻までを一読した感想である。感想なので考察ではなく、あまり深く考えずに思ったことを書いたもの。

幽遊白書はアニメで全話観た。漫画も読んだことがあるが大分前だ。

HUNTER×HUNTER全巻を読むきかっけは、タイトルにある通り言わずもがなだ。

以下に一部ネタバレが含めれていることを事前に了承いただきたい。

感想

発想が斬新で、別次元の世界。念やG・Iのカードゲームなど、ここまで細部にこだわれば、それは中々進まないだろうと思う。設定に論理的な破綻がないという制約と誓約が面白さであり、信頼でもあると思う。少年漫画としては過激な描写が多いのは間違いなく、人間が決めた価値観や善悪で判断すると見るに堪えない描写がある。
特にキメラアント編では人間側から見れば、あまりにグロテスクである。現実の世界では最近人里に現れる熊の駆除が可哀想などとクレームがくる問題があり、本質的に同じような問題である。幽遊白書の仙水忍が絶望した世界でもある。ただのバトル漫画ではない。
また、ルールを理解するのに時間がかかり、精読が必要な漫画である。
絵は美しい。
西野カナ、欅坂46と私も通った道だった。あるあるなのかもしれない。

展開に飽きるとことはなく、この先にハラハラドキドキする気持ちは常にあった。序盤の幻影旅団はスリリングであった。物語の始まりは主人公のゴンが父親のジンに会うことだが、それが実現したのでゴンの物語は完結したと私は思っている。そう考えないと、ハンターハンターを完結させるのは困難ではないだろうか。暗黒大陸編があるのかどうかも怪しいところだ。現在のカキン王王位継承戦でクラピカの物語は完結するだろうから、最後にキルアがやりたいことを見つけてキルアの物語が完結してハンターハンターは大団円となるのが一般的な予想ではないだろうか。暗黒大陸出身のナニカでキルアやゾルディック家が暗黒大陸編に関わってくるのだろうが、キルアはB・W号に乗船していないのが気になるところだ。それもナニカの能力があればどうにでもなることだろう。こう思わせてしまうところに破綻がないとは言えない。
そもそもを言ってしまうと、ヒソカがハンター試験で試験官等を〇して翌年もハンター試験を受けられるのがよくわからない。
ハンターハンターの世界では、〇人は罪にならないのだろうか。
ネトロらがいればヒソカの拘束ぐらいはできただろう。
ヒソカvsクロロ戦でも、同様のことを感じた。
クロロは賞金首のようだが。

正直に言えば、ゴンにはあまり魅力を感じてない。少年漫画らしい負けず嫌いで向こう見ずな性格であるが、ものには限度がある。ハンゾー戦は見苦しい勝ち方をして、ゲンスルー戦では腕を欠損している。ネフェルピトー戦では瀕死になり、ナニカの意味不明な力で元に戻るという禁じ手を使ってしまった。アンタッチャブルだと思う。サイボーク化の方がまだしっくりとくるが、どういう原理で戻ったのかは解明されていないので非難するのは時期尚早か。暗黒大陸が如何に未知の領域かと想像させられる。ただし、それとゴンの問題は別で、念のルールに則り「もうこれで終わっていい」で完結したではないだろうか。だからその後いとも簡単にジンと会えたと私は解釈した。
ハンターハンターは、徐々に相手が強くなっていくのではなく、最初からハンター最強クラスのヒソカが登場し、序盤のヨークシンでこちらも最強クラスの幻影旅団と対峙することになる。だから、ゴンが活躍する場面はほとんどなく、大局から見れば牛歩のような成長であり、結局クラピカが真の主人公説が浮上する。キルアが人気NO.1のようだが、友達思いのところは素敵だと思うが、全体として魅力を分かりかねている。
私としてはクラピカ、ナックル、レオリオ、マチあたりが好きなキャラクターだ。

キメラアント編の後に一気に物語が先に進んだ感がある。ハンター協会には、まだ見ぬ強者がゴロゴロいると思っていたが、どうやらそうでもないようだったのは正直残念だった。ワクワク感が萎んだ。十二支んにしても戦闘タイプではない念使いが多いようで、ハンター協会の底が知れた気がした。ジンに期待だが、ジンが活躍するであろう暗黒大陸編はまだまだ先だ。王子たちの念を考えるので手一杯となり、ハンター協会については見切りをつけたのか、終わりを意識した設定だろうか。王位継承戦では心理戦で説明の文字数が多く、デスノートよろしく、ライトノベルみたいだまである。エンペラータイム使いまくりでクラピカの寿命が気になる。普通に考えればクラピカがB・W号を無事に降りられる未来が見えないが、真の主人公ともいえるクラピカを天に召す決断を作者がするのかどうかが気になる。34巻の巻末でクロロVSヒソカの解説をしていて、マチを残すことにした理由を書いている。これを読むに結末ありきの創作ではないようなので、やはり作者の心ひとつだろう。ゴンのように瀕死から元に戻るまであるが、そうなってくると命の美しさに陰りがあり、冨樫作品の世界観が失われる気がする。ネテロの戦闘をもっと見たかったと思う読者は少なくないだろう。その惜しげもなさが、作品の凄いところである。あれだけのキャラクターが1回の戦闘で終わりなんて、普通は考えられないだろう。そこにシビれる!あこがれるゥ!結局、ハンター最強格のネトロはどのぐらいの強さだったのか、ネフェルピトーには勝てるくらいだったのかは気になる。ミニチュアローズは何ともいえないが、個の強さの限界を知らしめたのだろうか。爆弾や細菌兵器ありなら、この先の展開がより不鮮明になった。王位継承戦編は、強化系のような強さから、別の次元の強さに移った気がする。念の系統があり、単純に強さの順位や能力の優劣を付けられないのも作者が作った深さ(世界)ということだろう。

とにかく、クラピカのこの先が気になる。自らの手で同胞の緋の眼を取り戻して欲しい。この純粋な願い通りにはいかない絶望にも似た何かを冨樫作品に求めている自分もいる。それとマチがどうなるのかも見届けたいところだ。
あとはゴンの母親も謎だが、暗黒大陸編あたりで明らかになるのだろうか。

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クラピカ追悼編

〈参考文献〉
HUNTER×HUNTER 0、1~37巻 冨樫義博 集英社

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