家庭用ゲーム機とソーシャルゲームの仕組み等の違いについて

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1.はじめに
年配の方は、ソーシャルゲームの仕組みをよく理解されていないなと感じることがある。
家庭用ゲーム機とスマートフォン向けゲームアプリも同じゲームとして一緒くたに考えている方もいるだろう。
家庭用ゲーム機の製造会社が、ソーシャルゲーム市場に参入するなど環境は大きく変わってきている。
大まかな違いについて、私見を書きたいと思う。
なお、特定のゲームを想定したものではない。また、このブログではソーシャルゲームを、スマートフォンやタブレット向けに配信されているゲームアプリ等とする。

2.プラットフォームの違い
家庭用ゲーム機の場合
ゲームソフト(ソフトウェア)→ゲーム機(ハードウェア)

ソーシャルゲームの場合
スマートフォン(ハードウェア)→ソーシャルゲーム(ソフトウェア)

という流れの違いがある。プラットフォームとは、大まかにいうとゲーム機本体のことである。この流れはどっちが先かということである。
家庭用ゲーム機の場合、ゲームするのが目的で購入する。あるゲームソフトをプレイするためにはゲーム機本体がないとプレイできない。だから、ゲーム機本体を購入する。
一方でスマートフォンの場合は、携帯電話としての役割が先にある。通信手段として携帯電話を購入し、その上で好きなアプリをダウンロードする。
この点においてゲームアプリ等はおまけであり、初期費用はゼロである。ゲームをするために2,3万するゲーム機本体を購入する必要はない。
スマートフォンの個人保有状況は下図のようになっている。

13~19歳から40代までの保有率が高いことがわかる。
スマートフォンの場合は、アプリであり場所等も含めて起動させるまでハードルが低い。家庭用ゲーム機のように一目でゲームをしているといった外観がなければ、準備もない。スマートフォンは常に持ち運ぶものであり、アプリを開く誘因がある。

3.お金の流れの違い
家庭用ゲーム機の場合
ゲーム機本体とゲームソフトの価格を払って終わりである。追加でゲームソフトを購入するつど、そのゲームソフトの価格を払っていく。
1本のゲームソフトに払うのは、購入時の1回きりである。

ソーシャルゲームの場合
大きく分けて2種類ある。
家庭用ゲーム機と同じく、ゲームアプリをダウンロードするときに代金を払って終わりの落とし切り型が1つである。
もう1つが、基本無料でプレイでき、ゲームを有利にもしくは効率的に進行するために課金する追加課金型である。
多くのゲームアプリは、後者である。後者の追加課金型の場合、基本的にそのゲームが配信終了するまで終わりがない。

追加課金の最たるものとして、ガチャの課金がある。ガチャとは、街中あちこちにあるガチャポンの仮想空間版である。
お金を入れて、レバーを回すとカプセルが出てくるのと同じである。違いは仮想空間にあるので、永遠に空っぽにすることは出来ない。
ガチャの1番の大当たりが出る確率はゲームによってばらばらである。2%あれば、かなり優良なゲームである。実際には1%を切るゲームも多い。
そして、ガチャを1回引くに必要なお金は、これもゲームによってばらばらであるが、セール等様々な状況があるので300円と仮定する。
2%で、1回300円と仮定すると、大当たりを出すのに15,000円を課金する必要がある。もちろん、1回で大当たりが出る人もいれば、100回引いても出ない人がいる。永遠に空っぽにはすることはできないので、いつ出るかを断定することは出来ない。
ここまでは、序章である。この大当たりのラインナップが、2週間から1か月程度で変わってしまうのである。早ければ2週間後には、現在の大当たりと同等もしくはそれ以上の大当たりが出てくる。もちろん、ガチャの更新頻度はゲームによって違う。大当たりを狙い続けるには、毎月それなりの金額が必要になる。課金の方法としては、クレジットカードを持っていなくても簡単にできる。コンビニ等で売っている誰でも購入できる課金カードを購入し、番号をスマートフォンに打ち込むだけである。

そして、家庭用ゲーム機の場合は、有形物なので飽きたら買取ショップに売ることができる。
一方、ゲームアプリでは、データの売買や譲渡を禁止している場合がほとんどである。ゲームアプリに使ったお金は、現物のお金としては1円も戻ってこないと考えた方が良い。

4.終わりの違い
家庭用ゲーム機の場合
ドラゴンクエストやファイナルファンタジーなどのRPGは、全クリという用意された全てステージをクリアするという終わりがある。
速ければ、2,3日で全クリできる。
なお、ストリートファイターなどの格闘ゲームの場合は、当てはまらない。

ソーシャルゲームの場合
終わり(配信終了)は決まっていない。
どんどんステージややり込み要素が追加されていく。
人気ゲームほど、更新頻度や追加要素が多い。
エンドレスである。

5.おわりに
私も多くのソーシャルゲームをプレイしてきたが、ゲームの主導権は配信者側にある。ゲームの進行やガチャの仕組みが大きく変わることもある。ソーシャルゲームは随時更新されていくので、自分をコントロールするのは結構大変なことである。
ゲームアプリの市場規模は、「ファミ通ゲーム白書 2017(カドカワ株式会社 マーケットセクション編集)」によると、2016年までで既に1兆円に迫る勢いである。
このような市場規模で多くの人が持つスマートフォンなので、全く無関係な人というのは少ないだろう。

マスター:クレア

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