大木亜希子著「アイドル、やめました。」の読書感想




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1.はじめに

「アイドル、元アイドルに優しくなれる本」
が感想だ。
SDN48のメンバーであった著者が、
8名のAKB48グループの元アイドルにインタビューをしたドキュメントになっている。
(このうち1名は元AKBカフェっ娘でアイドルになりたかった人である。)
ちなみにSDN48とは、全員一斉に卒業という事実上の解散をさせられたAKB48の姉妹グループだ。

著書が「人生の答え合わせしたい」というのが、
本書の執筆の理由であると序文に書かれている。

読むきっかっけは、
以前に本書に登場する菅なな子さんの著書「アイドル受験戦記」を読んでいて、
菅さんで検索してみたら本書にヒットして購入してみた。
タイトルに釣られたのもある。
なお、アイドル受験戦記を要約すると
菅さんがSKE48を高2で卒業し、
猛勉強末、名古屋大学に現役合格した戦記である。
受験生などに自己啓発用としておすすめの一冊だ。

2.読書感想

私は、欅坂46のファンだった。
今もファンかどうかはわからない。
理由としては、1期、1.5期メンバーの8人が卒業・脱退している。
この中に推していたメンバーがいたのが大きい。

卒業・脱退したメンバーに中心メンバーが多かったので、
卒業・脱退したメンバー、そう「元アイドル」に注目が集まっている。
良い注目を集めている元アイドルもいれば、
残念ながら炎上している元アイドルもいる。

炎上している理由に、
「アイドルのイメージが~」
「現在のメンバーに対して~」
といったものが多い。

これらは本書のテーマの本質的なところである。
本書の言葉を借りれば、元アイドルという「十字架」
を背負い、向き合い進んでいる元アイドルについてのドキュメントである。
観ている側は、学業との両立だったり、
レッスンだったりを所与のものとして当たり前に考えているところがある。
実際は当然大変なことだし、
高校を中退するなど犠牲にしているものも少なくないことを本書は教えてくれる。
卒業してから時間が経っていることや、
現在の仕事が表舞台に立つ仕事ではないから話せる部分があったのだと思う。
アイドル活動中も卒業後も楽なわけはなく、
苦悩や葛藤を中心にインタビューされた内容で、
当たり前のことを気づかさしてくれる。
実際にアイドルとして活動したメンバーだから、
話せることがあるはずだし、こういった体験を読めるのは貴重である。
言葉(文章)にすることで伝わることがある。
苦労話をするのは美徳に反するという風潮があるが、
ただ苦労しただけで終わらせずに前に進んでいる元アイドルのみなさんに悪い印象を全く持たない。
むしろ、勇気をもらえる。

卒業して舌の根の乾かぬ内に問題を起こす元アイドルはフォロー仕様がないが、
一歩踏み出して卒業したアイドルに
いつまでもアイドルという十字架を背負わせようとするのはいかがなものかと思わせられた。

もちろん、今も何年も現役でアイドルをやっているメンバーは
鬼滅の刃に登場する炎柱の煉獄さんのように自分の責務を全うしていてかっこいい。

それぞれの選択、人生を心から尊重したいし、それが当たり前である。
「人生の答え合わせ」なんて直ぐにする必要はないのではないか。

元アイドルに十字架を過度に背負わせようとしている人、
呪いをかけている人にこそ、ぜひ読んで欲しい本である。

元アイドルがアイドルの看板を下ろして過去への気持ちを成仏させただけではなく、
元アイドルのファンも成仏させてくれる本である。

3.おわりに

欅坂46の改名を機に
私もいつまでも「古き良き時代」みたいなことを
言ってないで、成仏できるが気がする。

欅坂46の炎上している元メンバーにも、
「頑張ってるんやな」とおおらかに見られるようになった。

マスター:クレア

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