【独学】簿記1級合格体験記【第162回】

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はじめに

令和4年11月20日実施の第162回日商簿記検定1級に合格しました。
その合格体験記になります。第161回は不合格でしたので、その体験も踏まえて書きます。
※合格証書が届いたら、画像を追加します。
なお、簿記2級は持っていました。

【追記】合格証書が届きました。
簿記1級

成績

第162回
商業簿記 13
会計学  15
工業簿記 24
原価計算 20
合計   72

簿記1級

第161回
商業簿記 13
会計学  16
工業簿記 19
原価計算 15
合計   63

不合格体験記

使った教材
・スッキリわかるシリーズ 商業簿記・会計学Ⅰ~Ⅳ TAC出版
・日商簿記1級に合格するための学校[テキスト]工業簿記・原価計算 基礎編・完成編 (とおる簿記シリーズ) ネットスクール出版
・第157回をあてるTAC直前予想模試 日商簿記1級 [TAC渾身の予想問題3回分+1回分](TAC出版)
・第159回をあてるTAC直前予想模試 日商簿記1級 [TAC渾身の予想問題3回分+1回分](TAC出版)
・財務会計計算論文対策講義 Inputレジュメ②企結・分離・C/S CPA会計学院

第161回のときは、自分なりにかなり仕上がっていたので自信がありました。受験後も手ごたえ的には8割はいったと合格を確信していました。結果的に不合格だったので、その原因を書きます。商業簿記で思いの外落としていました。C論点の細かいところは捨てていたのはしょうがないとして、財務諸表作成に係る計算や足し合わせの正確さに欠けていたと思われます。数値を出すことは仕上がっていましたが、勘定科目と紐づける仕訳の理解・暗記が仕上がっていませんでした。勘定科目を正確に暗記していないと、財務諸表を作れません。会計学は、理論の穴埋めで修正受渡日基準を日を書き忘れるなどのミスを連発し、在外子会社の計算は特に対策していなかったのが原因です。工業簿記は難しかったので、特にないです。原価計算は問1の予定操業度差異を問題の読み違いで一桁間違ったので、芋づる式にその後失点しました。問1から芋づる式に間違っても、〇×の理論と合わせて15点くるのが1級です。
感想としては、やったところがほとんど出ない範囲が広い試験で、時間があまりなくミスをしてしまう試験だなと思いました。

このときの勉強方法は、商業簿記・会計学はスッキリわかるシリーズ、工業簿記・原価計算は中古で買ったネットスクールのわかるテキストを使って3周はして、試験の1か月前からTACの直前予想模試をやっていました。直前予想模試は、中古で第157回と第159回のものを格安で入手しました。他には連結や企業結合がよくわからなかったので、中古でCPA会計学院の公認会計士用のテキストを買って使っていました。
直前予想模試で70点前後は取れていたのと直近の過去問1回分だけ解いても解けていたので、大丈夫だろうという自信がありました。使っていたのは古い直前予想模試だったので収益認識の問題はありませんでしたが、本番では収益認識が出ました。このことから、問題集は必ず最新のものにするべきだと学びました。また、ケアレスミス対策が必要ということも第161回から学びました。ただ161回は問題が難しく時間が余らなかったので、ケアレスミスというよりは後半の問題(会計学や原価計算)に十分な時間を割けなかったのが問題だったと思います。つまりは、時間配分の問題でもあります。

スッキリわかるやとおるシリーズのテキストから、本番形式の問題へはかなりの隔たりがあるので、解けなくても早めに本番形式の予想問題集に移るべきだと意識してやっていました。スッキリシリーズはもっとコンパクトにまとまっていた方が良いなと思っていました。また、網羅性も高くないと感じたので簿記1級に関しては正直あまりおすすめはしません。商業簿記に関しては、もっと広く正確にやるべきだと思いました。やはり量は大切なので、たくさん解くべきでしょう。過去問は、試験範囲の変更等があるので重視せず、直近1年分しかやっていませんでした。

合格体験記

上記の不合格体験記の続きになります。
使った教材は以下の5点です。
・合格するにはワケがある脳科学×仕訳集日商簿記1級【第2版】 ネットスクール出版

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・第157回をあてるTAC直前予想模試 日商簿記1級 [TAC渾身の予想問題3回分+1回分](TAC出版)
・第159回をあてるTAC直前予想模試 日商簿記1級 [TAC渾身の予想問題3回分+1回分](TAC出版)
・第162回をあてるTAC直前予想模試 日商簿記1級 [TAC渾身の予想問題3回分+1回分](TAC出版)

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・財務会計計算論文対策講義 Inputレジュメ②企結・分離・C/S CPA会計学院

仕訳集を回転させていました。それができたのもスッキリシリーズを前回やっていたからです。仕訳集はコンパクトにまとまっていて回転させやすいのでおすすめです。商業簿記・会計学はスッキリシリーズなどの基礎テキストは使わず、仕訳集と直前予想模試の反復のみです。
工業簿記・原価計算も、テキストは使わず直前予想模試のみの実戦形式で演習しました。
第161回に比べると勉強量(時間)は大分少なかったです。それは、本番形式の問題に対応できるところからスタートしたからです。
今回はケチらずに脳科学×仕訳集と直前予想模試を新品で買いました。

これで合格できました。
前回と何を変えたかというと、商業簿記に関しては仕訳集に載っているC論点まで全て覚えたことです。
それと前回出たから今回は出ないだろうという先入観を捨てる、ヤマを張らないことです。
正直言えば、第162回の問題が第161回だったら、第161回で合格てきていたと思います。運の要素も多分にある試験です。162回でいうと、商業簿記で足きりがなければ合格だろうという手ごたえでした。収益認識が分からな過ぎて途中で帰ろうかと思いましたが、前回の受験の経験や傾斜配点があることを知っていたので最後まで試験を受けることができました。会計学は満点近く取れた自信がありましたが、15点でした。原因はわからないですが、理論対策はほとんどしていなかったので〇×問題を多く間違ったのかもしれません。ギリギリでも受かれば、幸せならOKです!
年に2回受けられる試験なので上手く活用しましょう。

狭い通路挟んだ隣(ほぼ真左横)が右手打ちの電卓強打ウーマンだったり、机が狭かったりとトラブルはありましたが商業簿記以外が簡単で助かりました。私の受けた会場は大学の小教室で欠席なしの満席でした。『青春って密じゃないですが』ではないですが、3人掛けに2人で通路挟んで直ぐ隣にも人なので密でした。
会計学は商業簿記に70分かけたので、20分しか時間を割けませんでした。とにかく解き切って、解答欄を埋めるのが大切です。

簿記1級と2級の難易度の違い

「1級と2級ではレベルが急激に変わる。」とはよく言われていることです。
これはその通りだと思います。何が違うのかというと範囲の広さと点数の評価方法です。
範囲は市販のテキストの冊数の違いを見れば明らかだと思います。
1級は傾斜配点があり、合格率が10%前後になるようになっているとされ、絶対評価よりの相対評価です。
問題の難易度そのものよりも、ここが1級と2級の違いだと思います。
1級は気合を入れないと受ける気にならないと思うので、受験者層が違います。
1級に限らず、簿記検定は回によって問題の難易度が違います。
ですので、単純に1級は2級の何倍難しいとは言えないと思います。
勉強時間でいえば、3~5倍の差はあると思います。
2級を合格した上で、3~5倍の勉強時間をかけるので個人的にもやはり差はあると思います。
簿記2級を片手間1ヵ月で合格される方がいるようですが、それは単純にすごいと思います。

独学でいけるか?

私は1回落ちていますし、合格点数も低いので自信を持って独学でいけるとは言えません。簿記1級は市販の教材が充実しているので、独学でも本試験問題に対応はできると思います。今回の収益認識の問題みたく難しい問題はみんなできないですし、傾斜配点があるのが簿記1級です。事業分離などの企業再編がスッキリシリーズではわかりにくく、かなり時間を費やしましたが本試験では出ませんでした。テキストなどのインプットが頭に入ってこないようでしたら、何かしらのスクールに頼るのも手だと思います。
1級を受ける者は、2級を持っている者がほとんどだと思うので1級の内容だから全く分からないということはないと思います。
独学の場合、講師云々というより、集中できる勉強場所の確保が意外と難しいと個人的には思います。

教材の使い方ですが、上記で書いた教材を覚えるまで読み込む。そして、演習をする。簿記検定は地頭勝負のような問題ではないので、商業簿記・会計学は仕訳・勘定項目の暗記、工業簿記。原価計算はパターンの暗記の暗記勝負です。暗記したら、暗記したものを掃き出す速度を上げるために、本番形式の演習の繰り返しです。記号問題ではないので、同じ問題の演習でも意味は十分あります。解けない問題があったら、暗記が足りない→勉強時間が足りないということでしょう。当たり前ですが、個々の問題の数値を覚えるのではなく勘定科目名や財務諸表上の区分、計算式を暗記することを言っています。
理解という言葉を強調される方がいますが、論述問題は出ませんし、あまりの応用問題は一般受験生は解けないので簿記1級に関していえば、あまり意識が高いことを言う前にすることがあると思います。暗記→予想問題の本番形式演習が王道ではないでしょうか。

結局は、本試験型の問題形式になれるために自分で手を動かさないと、どうにもならない試験だと思います。初期学習の手助けとなる自分に合った講師がいるのであれば、それに越したことはないと思います。
私の場合は、あまりお金をかけないで合格したいというのと、あまり講義を受けるのが得意ではないという経験から市販の教材による独学の方法を取りました。
余談ですが、大学受験のときに映像授業を受けたことがありましたが、他のことを考えたり、寝たりと時間を全くの無駄にし映像授業は合わないと感じた経験から来ています。

範囲が広い試験なので、独学かどうかよりも勉強時間の確保がまずは大切だと思います。
答えを見て分かった気になり、実際に解いてみると手が動かないのはあるあるだと思います。
マーク式試験ではないので、しっかりと覚える必要があります。
私の工業簿記や原価計算の予想模試の勉強方法は、時間がかかっても自分で解き、答えを出すでした。
直ぐに答えを見ると力が付かない気がしていました。

そして、上記の私の2回の点数を見ていただければわかる通り、商業簿記と会計学はみなさん仕上げてきているので良い方向の傾斜配点は期待できないものと考えた方が良いと思います。

重要なことですが、市販のテキストは最低限の分量しか載っていません。
どこまで手を伸ばすかは、独学では難しいところです。
これはどこかのスクールに頼れば良いということではなく、公認会計士などの教材(試験範囲)にも手を出すかなど時間との兼ね合いの問題があります。

簿記1級はやめておけ?

検索エンジンで検索が多いワードに「簿記1級 やめておけ」があります。
検定試験なので、取ったからといって士業になる資格とは違い独占業務があるわけではありません。
簿記1級を持っているから、人生バラ色なんてことは上に税理士試験や会計士試験という士業がありますので、有り得ないは事実だと思います。
置かれた状況は人それぞれなので、自分で勉強を始める前に考えれば良いと思います。

おわりに

直前予想問題でよく的中しましたと書かれていますが、出題項目が合っているだけで出題内容(問われている部分など)が全然違うのはよくある話です。的中を当てにせず手広くやって、あとは天に祈る。そして傾斜配点があるので最後まで粘り空欄を埋めるのが私の合格法でした。
また、教材を新品で買ってせっかく買ったんだからとやる気が出たのが、今回は功を奏したかもしれません。そういう点では、資格学校に高いお金を払っていくのも効果はあるかもしれません。精神力も試される難しい試験でした。

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