漫画「君たちはどう生きるか」を読んでの感想 




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1.はじめに
私は漫画版しか読んだことがない。
純粋に漫画版を読んでの感想である。
40分程度で読み終えた。
以下、一部ネタバレを含む。

2.感想
時代設定は、現在よりも大分前である。
しかしながら、テーマは普遍的なものである。
コペル君という中学生が主人公であり、具体的な中学生活が描かれ、その中で誰もが経験するであろう出来事に焦点が当てられている。
私の感想としては、「頭でっかちで口達者である卑怯者のコペル君を、君は卑怯者と言えるだろうか?」という話だと思った。
人を助けたいと言うことは簡単である。また、崇高な理想を語ることは簡単である。
特に中学生は多感な時期である。少し運動ができれば、やれオリンピックに出るだ、やれプロ野球選手だと大きく出てしまう。
また、ちょっと勉強ができれば末は博士か大臣かなどと思ってしまう時期である。
閉鎖空間での一種の万能感を持ってしまう。
その万能感と実際に自分ができることとの乖離がある。
思っても自分を犠牲にして一歩踏み出して勇気を行動に移すことは極めて困難である。
これは、中学生だろうが大人だろうが変わりはないだろう。
大人であれば、できそうにもないことや関わりたくないことを軽々に口には出さなくなる。
それは経験から来るものだろう。
理想ばかりを口にして、実際にその状況になったときに真っ先に逃げ出すひとを信用するだろうか。
だったら、言わない方が良いとなってしまう。
では、それで良いのかというのが大人が読んだ場合のテーマだろう。
中学生等が読んだ場合は、本にある通りダイレクトにいじめを見て見ぬふりをしていいのだろうか、自分の身可愛さに友を見殺しにするのかというのがテーマだろう。
一方的にコペル君を非難できるひとというのは、よっぽどの人格者で力もあるものだ。
自分の身を守ることを優先して考えるのは、それほど悪いことではない。
それは生きていく上での処世術と言えるかもしれない。
現代的には、他者との関係、相対的な自分についていちいち思い悩んでいたのでは、心が壊れてしまうだろう。
多感な時期であるが、思い悩まず本書にあるように信頼できる大人に相談するのが良いかもしれない。
自分で考えることは大事である。伝記等で偉人に学ぶことも大事だろう。
万能感に支配されず、現実的な言動を取れるように考えよう。
失敗は誰にでもある。失敗の後にどう行動するかだ。
本書は漫画ながら振り返ったり、考えさせられたりするポイントがいくつもあった。
つい自分の中学生時代を思い出させられる本だった。

3.おわりに
小中学校の学級文庫に置いておくのには良いかもしれない。このくらいの子どもがいる親が買ってあげるのも良いだろう。
この本(漫画)を理解できる中学生は、既に精神レベルが高いし、何も感じない人は感じないだろう。
気づきが少しでもあれば、良い投資ではないだろうか。
同じような思春期のもやもや、葛藤を描いた作品に朝井リョウ著「桐島、部活やめるってよ」がある。
私は「桐島、部活やめるってよ」の方が圧倒的に好きである。
やっぱり、口だけ達者なひとは好みではない。
漫画なので、短時間で読めるのが利点である。

マスター:クレア

<参考文献>
漫画 君たちはどう生きるか
原作 吉野源三郎
漫画 羽賀翔一

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