【最高傑作は?】あだち充作品感想・おすすめ

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※出版されている全作品を読んでいるわけではありません。
順次増やしていく予定です。
また、ネタバレ(具体的な内容)を書いた感想です。
事前にご了承ください。

全体としての感想

まずあだち充作品全体の感想として、

良いところ
・テンポが良くて読みやすい
・基本的に1話完結型で読みやすい
・コメディのユーモア部分は今も色褪せず楽しめる

残念なところ
・交通事故等が必ず起き、重篤な被害者が出るお約束がある
・漫画にしては、ちょっと余白が多過ぎるのではないかと思う終わり方をする(全てを書き切らない)
・結構適当な設定が多い(競技や大会などをよく調べていないのではないかという致命的なものもあり)

読書感想及びおすすめ度は現在(令和7年)における私の感性を元に書いている。
なんせ書かれたのが30年以上前のものもあることから、現在の感性と合わないものがあるのは致し方ない。
おすすめ度を書いているが、どれも読みやすいので読むのを途中でやめた作品はない。

作品ごとのレビュー

・ナイン
おすすめ:★★★☆☆
ゆったりまったり読める作品。野球を題材にした物語ではあるが、特に熱くなるところはない。ラブコメのラブの部分が分かり易く不要に傷つく人がいないのは他の作品に比べて良い。おきまりの不良に襲われたり、挙句にナイフで刺されたりしても何ともなかったように次の話に進むのはコメディが過ぎる。
青春群青劇として後味が良い作品。
新見は陸上をやらせろ!これもお決まりのなのかもしれないが、漫画向きのとんでもないポテンシャルを持った登場人物がいるが、それが発揮されないまま終わりもったいないなと思わされる。まぁ、これは漫画である。

・みゆき
おすすめ:★☆☆☆☆
物語は面白いのだが、みゆきを取り巻く男性陣が現在の感覚でいえば到底受け入れらない。男性教員は今日では即懲戒処分の対象だろう。
連載当時流行ったようだが、改めて時代とは恐ろしいものだと思う(不適切にもほどがある)。
また、鹿島みゆきがかわいそうでならない。
正直、主人公若松真人の魅力がまるで分からない。
コメディ漫画としては面白いが他人におすすめするものではない。
シスコン・勘違い中年男製造漫画

・タッチ
おすすめ:★★★★★
代表作なので、これをおすすめしなければ、何をおすすめするのかという話である。
新田明男がカッコいいに尽きるが、最後には原田、西村と並ぶモブキャラに転落したのは最高のコメディだ。
和也が生きている世界線での達也との勝負を見たかった。物語の肝である和也が交通事故によって亡くなるのは残念でならない。学校のヒーローが亡くなったのに、夏休み明けにはクラスメイト等が普通に過ごし、いつも通りの日常に戻るのは早すぎではないかと思ったが、ここは漫画なのでムキになってはいけない。
そして、ガンダム3大悪女にも劣らない朝倉南の存在も忘れてはならない。アニメ版のテレビ特集等で稀代のヒロインのように取り上げられているが、和也がこの世を去るまでの期間の振る舞い(前半)こそぜひ読んで欲しい。まさに魔性の女である。ただ朝倉南は最初からまっすぐで、弟思いで煮え切らない達也の被害者とも言える
主人公は達也なのだが、ここはお決まりのとんでもないポテンシャルを持った主人公ということで特筆すべき点はない。最後の方に出てくるアイドルは何だったのか。尺稼ぎなら、もう少しやりようがあったと思うが、連載当時は何があったのだろうか。
他に気になる点としては、須見工の大熊に2本のホームランを打たれるなど、決勝は乱打戦になったことだ。負けていてもおかしくないし、実のところ達也はそれほどのピッチャーではないのでは疑惑がある。しかしながら、甲子園優勝投手となるのだから、やはり持っている人間なのか。また、甲子園に行けたのは、一人の天才のおかげではなく、やはり柏葉英二郎のしごきのおかげと印象付けられた。
タッチは最後の方まで書き切ってくれた作品なので、余白は少なく後味は良い。

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・ラフ
おすすめ:★★★☆☆
ラフに登場する緒方が、私があだち充作品で一番好きな登場人物だ。
水泳の話だが、特に特筆すべき点はない。
お決まりの交通事故で不穏な展開となる。
仲西とベストな状態で正々堂々と戦うストレートな展開にならないのが残念。
終わり方は好きだ。何か清々しかった。
他の作品もそうだが、あまり先の話は出ない。全日本チャンピオンならオリンピックに出てもおかしくないのではないかと思うが、あだち充作品はこの辺は適当である。

・虹色とうがらし
おすすめ:★★☆☆☆
あだち充作品が好きな人は読んでもいいのではないか。
他の作品とは設定が大分異なり、江戸時代と思われる時代の話である。
影の主人公浮論がカッコ良かったぐらいの感想しかない。
あとは強キャラ設定の麻次郎が不完全燃焼で終わった感がある。
あだち充作品あるあるだが、最後の方は早送りになる。

・H2
おすすめ:★★★★☆
こちらも代表作であり、野球漫画といえばあだち充を決定づけた作品ではないだろうか。
比呂と英雄の親友である超高校級の2人の対決を、お決まりのごたごたで最後の最後である3年の夏の甲子園まで引っ張ったのは何ともあだち充作品である。
面白さは★5で間違いないのだが、終わり方があまりよくなかった。
ひかりはどっちでも良かった疑惑、比呂の本当の気持ちはなど余白があり過ぎた。
また、古賀が都合の良い女扱い過ぎて不憫でならない。ひかりの母親の写真をどんな気持ちで剝がしたのか。
木根の物語として読めば、彼女もできて甲子園では完投勝利もして後味が良い。あだち充作品では数少ない報われた人物である。
逆に広田は因果応報、きっちりと報いをうける形となった。
この辺りが他の作品にはない物語の深みを感じた。
個人的には、最後の余白から古賀と柳がくっついてめでたしめでたしとなると解釈した。
大学進学後、柳と古賀がくっつく。そして、柳はその後教員になって再び千川高校を甲子園に導く、私にはそこまで見えた。
私の妄想は置いておいて、柳は良いキャラクターだった。
比呂と英雄の最後の対決で、特大ホームランと思われた打球は風のいたずらでファールになったが、あれは比呂がひかりとの関係にひよって打たせたと解釈した。だから個人的には何か煮え切らないものがあった。あだち充作品の主人公らしいといえば、それまでである。

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・KATSU!
おすすめ:★★☆☆☆
こちらも終わり方が残念だった。
不遇のキャラとしては内田が上げられる。
結局戦わずして消え、盛り上げ役のかませ犬だった。
あれだけ盛り上げておいて、結局あいつは何だったのかという登場人物もあだち充作品あるあるである。
それと高一で158Km、甲子園優勝とか、野球を舐めてる感がしたのは残念だった。
それだけあだち充はボクシングにかけたのかもしれないが、最後はぐだぐだだった。
恋愛についても消化不良だし、誰も得しない最後だった。

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