現物報酬型のソーシャルゲーム新課金モデルについて




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 1.はじめに
以前に書いたものをTeXを使ってPDFにしたものである。以前から少し書き足している。TeXを使う機会がないので、このブログを使ってTeXを定期的に使っていきたい。WordPressではPDFを簡単に挿入できるので便利である。なお、PDFの挿入には、PDF-Embedderを使っている。

 2.TeXで書いたもの
新課金モデル

 3.TeXのスクリプト
これを使えば簡単なレポートのテンプレになるのではないかと思い載せている。

\documentclass{jsarticle}
\usepackage[dvipdfmx]{graphicx}
\begin{document}

\begin{flushleft}
\Large{現物報酬型のソーシャルゲーム新課金モデルについて}
\end{flushleft}

\begin{flushright}
平成30年2月22日 \\
閃光のクレア
\end{flushright}

\section{はじめに}
ソーシャルゲーム黎明期のガラゲー時代に、「コンプガチャ」という課金モデル構築された。消費者庁「オンラインゲームの「コンプガチャ」と景品表示法の景品規制について」によると、『「コンプガチャ」は、「完成させる」とか「完了する」といった意味を持つ「コンプリート(complete)」という英単語と「ガチャ」の語を組合わせた造語です。「コンプガチャ」は、一般的には、「ガチャ」によって、例えば、特定の数種類のアイテム等を全部揃える(「コンプリート」する、又は「コンプ」する)と、オンラインゲーム上で使用することができる別のアイテム等を新たに入手できるという仕組みです。この別のアイテム等は、その希少性から、「レアアイテム」などと呼ばれたりします。』と書かれている。そして、同文書内の「コンプガチャ」に関する景品表示法上の考え方、ア 景品表示法上の考え方には『「コンプガチャ」は、異なる種類の符票の特定の組合わせを提示させる方法に該当し、懸賞品制限告示5項で禁止される景品類の提供行為に当たる場合があります。』と見解が示されている。今日のソーシャルゲームのガチャでは、この点を考慮したものとなっている。ガチャがカード合わせに該当しないもので、ゲーム内でより良いモンスター、キャラクターや武器等を手に入れるために課金してガチャを引くというものだ。これはあくまでもゲーム内のものである。現実世界でカード等の現物が手に入るわけではない。この黎明期からあったガチャのために課金するというモデルは今日でも主流である。\\
そこに新しいモデルともいえる現物報酬を与えるモデルが「欅のキセキ」で導入されている。ドラゴンボールを題材にした大人気アプリドッカンバトルでも一度、ゲーム内イベント天下一武道会の上位報酬(100位以内)として孫悟空のプレミアムフィギュアがあった。ドッカンバトルではこの一度だけである。一方で欅のキセキでは更新頻度は2週間に1回程度で現物報酬イベントが開催されている。この新課金モデルについて考察していきたい。

\section{ソーシャルゲームの市場}
このブログでいうソーシャルゲームとはAppStoreやGooglePlayで配信されているスマートフォンやタブレット端末向けのゲームアプリのことである。

\includegraphics[width=13cm]{ファミ通白書.png}\\
出典(ファミ通ゲーム白書2017(2017.6) 編集:カドカワ株式会社 マーケティングセクション)\\
「ファミ通ゲーム白書2017」によると「2016年の国内ゲームアプリ市場規模は、前年比4.4%増の9690億円となりました。」とされている。\\
このようにゲームアプリ市場は右肩上がりに成長してきている。特に大ヒットとなったのは「パズル&ドラゴンズ」(以下「パズドラ」とする。)と「モンスターストライク」(以下「モンスト」とする。)が挙げられる。パズドラを配信しているのは、ガンホー・オンライン・エンターテインメント株式会社(以下「ガンホー」とする。)である。モンストをちゃんとプレイしたことはないので、ガンホーの売上高の推移を見ていきたい。

\section{ガンホーの売上高等について}
\includegraphics[width=13cm]{ガンホー.png}\\
出典(ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社「2007〜2016年有価証券報告書」)\\
ガンホーの課金システムはゲーム内通貨「魔法石」を購入する従来のシステムである。ガチャ(ガチャガチャ)を引いたり、ゲーム内でコンテニューするのに必要となる。主にガチャでフェス限と呼ばれる強力なモンスターを手に入れるために課金する従来の課金モデルである。2014年12月期決算では、売上高が1,700億円を超えている。特筆すべきは、営業利益の高さである。参考に任天堂株式会社の売上高と営業利益を示す。
\includegraphics[width=13cm]{任天堂.png}\\
出典(任天堂株式会社「第68〜77期有価証券報告書」) \\

ガンホーと任天堂のグラフを比較をしていただければ明らかなように、ガンホーの売上高に対する営業利益の高さがわかる。このようにパズドラが採用している従来の課金モデルにより、ヒットすれば多くの利益を出せることがわかる。

\section{欅のキセキについて }
欅のキセキとは、株式会社enishが配信するアイドルグループ欅坂46を軌跡を題材にしたパズルゲームである。配信開始は平成29年10月18日である。このゲームでもゲーム内通貨としてダイヤがあり、従来の課金モデルを採用している。ガチャの更新頻度も早く、イベント限定衣装の欅坂46のメンバーが手に入るガシャなどが一つ目の課金要素である。このゲームは従来の課金モデルに留まらない。このゲーム内ではイベントがほぼ途切れなく開催される。中身は2週間に1度程度の頻度で更新される。そのイベントの上位者報酬がなんと、メンバーの直筆サイン入りチェキ、オリジナルフォト、メンバーに会えるイベントの参加券、ライブチケットや直筆サイン入りTシャツなどの現物である。この直筆サイン入りTシャツは現時点では、このゲームのイベント報酬でしか手に入らない激レアアイテムである。このゲーム内での仮想空間で完結しているのではなく、現実世界とリンクした報酬となっている。この点は、他のゲームとは大きく違う。例えばKHUx(キングダムハーツユニオンクロス)では2周年の際に抽選でPS4\textregistered が当たるキャンペーンがあったが、課金とは全く関係ない。欅のキセキの場合は、課金の要素が大きくかかわっている。イベントの上位に入るには、先ずボーナスポイントが重要になる。ボーナスポイントは、イベントガチャでイベント限定衣装のメンバーを手に入れることで手に入る。最大400\%であり、イベント限定のメンバーを持っていた方がはるかに有利である。そして、このイベントの周回によりポイントを集めることが必要であるが、周回にはダイヤの消費が必要である。また、アイテムによりさらにボーナスポイントがもらえる。このアイテムは、課金により多く手に入れることができる。つまり、上位に入賞するために課金は、ほぼ必須である。実際にプレイしているからわかるが、上位陣の獲得ポイントは桁違いである。従来の課金モデルに加えて、現物報酬による新課金モデルの併用を行っているのが欅のキセキというゲームである。現物報酬になると、もはやゲームなのかという思いがあるがこれがヒットすれば、このようなモデルは取り入れたゲームアプリが増えてくるかもしれない。 \\
欅のキセキは、リリースから3か月で250万DLを突破した。もちろん、これは250万人がプレイしたということを意味していない。リセマラという始めるときに、自分の意中のキャラクターを手に入れるまで繰り返すという作業を多くのユーザーが行っている。今はイベントがメンバーの選択制になったからわからないが、私は最初の頃のイベントでは2万位から3万位ぐらいには収まっていたこと及び、欅のキセキのAppStoreのランキングから推測するに250万からは大分少ないユーザーがアクティブであると思われる。enishの売上高等の推移は下図のようになる。\\

\includegraphics[width=13cm]{enish1.png}\\
出典(株式会社enish「財務ハイライト」)\\
図より、ここ2期は営業利益が出ていないようである。 \\
12月決算の会社のようなので、2017年12月期決算がどのようになっているか注目したい。 \\
なお、平成30年2月14日に「決算説明資料」が公開されている。この説明資料によると2017年第4期は\\
・ 「欅のキセキ」の収益が貢献し、売上高は大きく増収\\
・営業利益は4Qでは赤字も、12月単体では黒字化を達成\\
・売上増加に伴う変動費(課金手数料/ロイヤリティ/CS等)と広告宣伝費が増加\\
と書かれている。広告宣伝費はTVCM等とされている。欅のキセキのリリースははちょうどこの4Q(10月〜12月)に入っている。\\
株式会社enish2017年12月期決算説明資料P.5「1.FY17 4Q決算概要 売上高・営業利益の四半期推移」をみると、2017年4Qの売上高は1,589百万円、2017年3Qは854百万円と2倍近くになっている。しなかしながら、営業利益はこの3期の全てにQにおいて赤字のままである。なお、2015年の売上高は1,520百万円となっている。率直な感想としては、数億単位の増加は一般的にはすごいと思うが、ゲームアプリ市場に衝撃を与えたというほどのインパクトがあるものではなかったと思う。ユーザーの立場からすれば、あれだけハイペースにガチャと現物報酬型のイベントの更新を行っていたのを知っているので、厳しい状況だなというところである。\\
欅のキセキ自体はまだリリースから日が浅い。ゲーム内イベントは現実世界の欅坂46の追体験であり、進行は「二人セゾン」までである。今後更なる発展する可能性を秘めている。

\section{おわりに}
現物報酬の新課金モデルは、現在において主流ではない。ゲームに参加しないと手に入らない現物景品が増えることによりソーシャルゲーム市場がより過熱しそうであるが一筋縄ではいかないようである。やはり大前提として、ゲームアプリ自体が大ヒットしていなければ課金モデル云々の話ではない。ここでいう大ヒットの指標は、ダウンロード数やアクティブユーザー数を指す。欅のキセキは現在250万DLを突破しているが、例えば人気ゲームアプリ「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」(配信はバンダイナムコエンターテインメント)は、2017年7月に2億DLを突破している。ドッカンバトルのDL数の規模を見れば、欅のキセキのアプリのダウンロード数としては、伸びしろはまだある。まだ現物報酬型モデルを採用しないのには多くの要因があるのだろうが、欅のキセキがヒットすれば現状は変わるかもしれない。従来のガチャのために課金するというモデルでも、2節でもみたように相当規模の市場になっている。新課金モデルにより、今後さらに拡大する可能性を秘めたモデルである。今後の推移を見ていきたい。なお、ソーシャルゲーム内の課金等に関する規制は、消費者庁の景品表示法ページにQ\&A等が書かれていて参考にさせていただいた。\\

<参考文献>\\
消費者庁「インターネット上の取引と「カード合わせ」に関するQ\&A」\\
「オンラインゲームの『コンプガチャ』と景品表示法の景品規制について(平成24年5月18日消費者庁)\\
株式会社enish「IRニュース」\\

\end{document}

 4.おわりに
数式等がなければTeXで作ったものをみても、Wordで作ったものと大きな差はないだろう。実際にTeXで作ったものを仕込んでも気づかれなかったことがある。せっかく覚えたことを忘れない程度に今後も使っていきたい。

マスター:クレア

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